台湾の民間シンクタンク「台湾民意基金会」が11月2日に 「両岸軍事危機下の台湾民意」 をテーマに実施した世論調査の結果を公表した。 同調査は今年10月18日から20日までの三日間、全国の20歳以上の成人を対象に電話調査で行われ、1075人が回答している。調査の設問は下記の通りである。 ① 「台湾海峡を挟んだ両岸において、様々な要因によって遅かれ早かれ戦争が勃発し、中国が台湾に出兵して武力攻撃を行う」という指摘がありますが、あなたは同意しますか。 ② 仮に中国が明日、台湾への武力侵攻を行った場合、あなたは軍が台湾を十分に防衛できると確信していますか。 ③ 中国による台湾への武力侵攻の可能性に対して、一般論として蔡英文政権は充分な準備ができていると思いますか。(軍事・非軍事含む) ④ 仮に中国が台湾への武力侵攻を行った場合、アメリカは出兵して台湾防衛に協力する可能性があると思いますか。 ⑤ 仮に中国が台湾への武力侵攻を行った場合、日本は出兵して台湾防衛に協力する可能性があると思いますか。 ⑥ 「両岸間の戦争は避けられず、一旦開戦すると台湾内部の親中勢力が工作活動を行い、団結を阻む恐れがあり、問題である」という指摘がありますが、あなたは同意しますか。 こうした世論調査が今、台湾で実施されること自体が台湾有事の緊張が高まっていることを物語っているが、果たして台湾の人々はいかに認識しているのか。 まず①の台湾有事の可能性について、「遅かれ早かれ戦争が勃発し、中国が台湾に出兵して武力攻撃を行う」ことに対して、「とても同意」が7%、「同意と言える」が21.1%、「あまり同意しない」が40.6%、「全く同意しない」が23.7%、「意見なし・わからない」が7.6%だった。即ち、28.1%が台湾有事を現実に起こり得る事態と認識している一方で、64%以上は中台間で実際の武力衝突には発展し得ないと認識している。 2019年11月にも同基金会は同じ設問で調査を行なっており、2019年調査では「とても同意」が5.1%、「同意と言える」が10.9%、「あまり同意しない」が35.0%、「全く同意しない」が42.4%、「意見なし・わからない」が2.2%だった。 したがって、この二年間で台湾有事が起き得る事態と認識する割合は明らかに増加しているものの、依然と
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